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伝わるスライドの9つのチェックポイント

最近、オンライン会議も増え、スライドで報告する機会が増えてきているのではないでしょうか。

PowerPoint、Googleスライド、Canva、Figmaなど、スライドを作成するツールの進歩は目まぐるしく、手間をかけずとも綺麗な資料が作れてしまいます。

今回は、綺麗に作れてしまうからこそ見落としがちなスライド作成時の9つのチェックポイントをお届けします。

では早速いきましょう。

準備編

スライドツールを開かない

まず、いきなりスライド作成に着手してはいけません。

冒頭でもお伝えした通り、最近のスライドツールは手間をかけずとも綺麗に作れてしまいます。

このため、伝えたいことが明確になっていなくても、それっぽい内容を何となく書くだけで綺麗に見えてしまい、見た目は完成してしまいます。
スライドツールを開くのは、伝えたい内容を明確にした後にしましょう。

伝えたい内容を言語化する

手書きのノート、テキストエディタ、MindMapなどでそのスライドで伝えたい内容を文章で書き起こしましょう。
文章にすることで、頭の中が整理され、伝えたいことがクリアになります。

この時、誰に何をしてもらうための資料かに気をつけてください。

スライドの目的は読み手に何らかの行動や反応を起こさせるものです。
独りよがりせず、読み手の課題や興味に寄り添った内容となるようにしましょう。

ストーリーを整える

結論ファーストとよく言われますが、何でもかんでも結論ファーストにしてはいけません。
聞き手の前提知識に合わせた導入の後に結論を持ってくるようにしましょう。

私のお勧めするストーリーは、導入+PREP法です。

  • 導入
    唐突感を抱かせないよう、背景を説明する
  • Point(1)
    読み手が興味・集中力のある冒頭で主張を説明する
  • Reason
    主張の納得性を高めるため、理由を説明する
  • Example
    理解度を深めてもらうため、具体例を説明する
  • Point(2)
    まとめとして主張を再掲し、今後の直近のアクションも説明する
    報告時あるいは報告終了後に主張する内容が早く決断されれば、すぐに次のアクションを実行することを示すことで、読み手の決断を暗に促す

これをピラミッドストラクチャで繋がりを持たせるようにしましょう。

次の例はとあるシステムに営業向け機能を追加すべきかどうかの検討結果を提示する資料のピラミッドストラクチャです。

(例)導入+PREP法のピラミッドストラクチャ

「営業機能は追加すべき」というPoint(1)に対して、Reason/Exampleを3種類示すことでPointの納得性を高めています。
Point(2)では追加することが決断された場合のアクションを示しており、決断を促しています。
(社内会議など決断を要請しても失礼にならない場合はストレートに決断を促しましょう)

作成編

ページ構成の基本を押さえる

スライドには基本の型というものがあります。

上のイメージに示すように、スライドの1ページはタイトル部・メッセージ部・ボディ部から構成されます。

注意したいのは、1ページ1メッセージの原則です。
1ページに複数のメッセージを書くとページ内の構成が複雑になり、読み手が理解するのに負担が増えます。

逆にメッセージがない場合も、読み手にボディ部からメッセージを読み取る作業を強いてしまうので、これも読み手の負担を増大します。また読み手が誤った解釈をしてしまう場合もあります。

メッセージを主張する

メッセージには独自の意見や考察を書かなければ、読み手に響きません。

例えば本文にグラフがあり、そのグラフから読み取れる内容だけを書いていると、読み手は「だから何?」と疑問に思うか、ただ読み飛ばされてしまいます。

メッセージに一般論や事象を書いても読み手の共感を得ることはできません。
一般論や事象の先にある独自の意見や考察を主張しなければなりません。

  • ❌ 納期/品質/コストを重視します。(一般論)
  • ❌ ○○社の市場占有率は20%です。(事象)
  • ⭕️ 品質/コストよりも納期を重視します。(独自の意見)
  • ⭕️ ○○社の市場占有率は20%と低い状態のため、~~する必要があります。(独自の考察)

タイトル部・メッセージ部・ボディ部の整合性をとる

タイトル部・メッセージ部・ボディ部は、同じことを書いているか確認しましょう。

ボディ部で触れていないことをメッセージ部で書いていると、そのメッセージの根拠が曖昧になり、説得力が下がります。

またボディ部を作成しているうちにメッセージ部が変わっていく場合があります。
この時、タイトル部だけ修正を取り残してしまう場合があるので注意しましょう。

確認編

誤字脱字がないか確認する

スライドが作成できたら、誤字脱字がないか確認します。

基本的なことですが、誤字や脱字があると読み手の興味が散乱してしまい、書いている内容がどれだけ正しくても説得力がなくなり、ちゃんと見てもらうことができなくなってしまいます。

こうなるとせっかくの苦労が水の泡になってしまいますので、つまらないところで躓かないようにしましょう。

ストーリー構成を確認しながら予行演習する

全体のストーリーとページの前後関係の整合性が取れているか振り返ります。

準備段階で作成したピラミッドストラクチャも、スライドを作成していく中で少しづつずれていくことが多いです。

本番のつもりで予行演習しながら、整合性を取れていることを確認しましょう。

レビューしてもらう

最後に第三者にレビューしてもらいましょう。

レビュアは上司でなくても構いません。

準備編で考えた「誰に何をしてもらうための資料であるか」と「読み手の前提知識」をレビュアに伝えて、その資料がこの目的を達成できるかの観点でレビューしてもらいましょう。

まとめ

今回は、伝わるスライドを作成するために気を付けるポイントをご紹介しました。

準備編

  • スライドツールを開かない
  • 伝えたい内容を言語化する
  • 導入+PREP法でストーリーを整える

作成編

  • ページ構成の基本を押さえる
  • 独自のメッセージを主張する
  • タイトル部・メッセージ部・ボディ部の整合性をとる

確認編

  • 誤字脱字がないか確認する
  • ストーリー構成を確認しながら予行演習する
  • レビューしてもらう

これらのポイントを抑えるだけで、あなたのスライドは読み手にとって伝わりやすいものになるでしょう。

昨今のスライドは、簡単に作成できるようになっていますが、肝心なことは、読み手の行動を起こすことができるかです。

デザインで読み手の興味を惹くのでなく、内容で読み手の興味を惹いて共感を得られるスライドを目指して取り組んでいきましょう。

今回は以上です。

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