ビジネス

ルーティンワークからの脱却

このブログは主に中堅及びマネージャークラスのビジネスパーソンをターゲットとしています。

この立場の方なら、定型化したルーティンワークと非定型で臨機応変な対応が必要なイレギュラーワークの両方に、日々翻弄されているのではないでしょうか?

このうち、ルーティンワークは定型化しているが故に、どれだけこなしても高い評価には繋がりにくいです。
今回は、ルーティンワークを削減していく手段について書いていきたいと思います。

ルーティンワークとは

特徴

ルーティンワークは主に次のような特徴を持つタスクです。

  • 毎日、毎月、毎年などの一定期間内に繰り返し発生する
  • 作業内容と順番が決まっている
  • 書類作成や集計処理、データ入力、伝票処理、勤怠管理、給与計算、経費計算、メール送信といった事務作業などが該当する

メリット

ルーティンワークは定型化していることにより、次のようなメリットがあります。

  • 作業内容が変わらないのでマニュアル化しやすい
  • マニュアル化により誰でもできる
  • 作業時間が予測できるのでタスク管理しやすい
  • プロセスが固定なので改善しやすい

デメリット

反面、デメリットとしても、以下のようなものが残ります。

  • 誰でもできるため、作業者からすると存在意義を見出しにくくやりがいを感じにくい
  • 同じ作業の繰り返しのため、飽きやすい
  • 誰でもできる作業であるため、評価されない傾向が高い

ルーティンワークの評価

企業側からみれば、ルーティンワークは誰でもできる仕事でメリットになりますが、労働者側から見ると、モチベーションの維持などに課題が残ります。

「定型化された作業がスキ!」という方もいらっしゃると思いますが、中堅以上のビジネスパーソンであれば、ルーティンワークを脱却してイレギュラーワークへシフトすること、あるいはこの両立から逃げることはできないでしょう。

会社から見れば、ルーティンワークは想定以上の効果を上げるモノでなく、また、できて当たり前のものなので、どれだけの数を正確にこなしても評価には繋がりにくいです。

なので、いかにルーティンワークを減らして、自分の存在意義を発揮できるイレギュラーワークにシフトしていくかが、評価の分かれ目になってきます。

ルーティンワークからの脱却

ここでは、ルーティンワークを減らしていく改善の進め方についてその手段をご説明します。

改善のプロセスは以下です。
ざっくり説明すると「全体を洗い出した後、優先度をつけて改善に取り組む」です。

  1. ルーティンワークの洗い出し
  2. 作業時間、作業頻度の設定
  3. 改善手段の検討
  4. 優先度設定
  5. 改善施策の実行

上記のプロセスに沿って、以下のようなルーティンワーク一覧表を作成し、改善対象の作業を選定していきます。

例:ルーティンワーク一覧表

1.ルーティンワークの洗い出し

自分あるいは自チームの抱えるルーティンワークを洗い出します。

なおルーティンワークの基準は、”定型化可能かどうか”としてください。

組織によっては定型化=マニュアル化されている作業と捉えている場合もありますが、マニュアル化していなくても、将来定型化できそうなものは対象に加えるようにしてください。

2.作業時間、作業頻度の設定

タスクを洗い出したら、次はそのタスクの1回にかかる作業時間と年間作業回数を設定してください。

作業時間は分単位。

年間作業回数は、平日に毎日1回なら、20日×12ヶ月=240回といった具合です。

作業時間と年間作業回数をかけると年間作業時間となります。

平日に毎日1回20分なら、20日×12ヶ月×20分=4,800分=80時間 になります。

ここで正確に出そうとし過ぎると返って時間を取られてしまうので、パパッと入れてください。

3.改善手段の検討

全タスクに対して、作業時間を削減できる方法を検討していきます。

チームメンバーで進めるのであれば、ミーティング形式で皆の意見を聞きながら進めれば良いでしょう。

業務改善のフレームワークでECRS(イクルス)というものがありますので、まずはこのフレームワークに沿って考えていくのが良いでしょう。

Eliminate:無駄なプロセス・作業を排除する

そのタスクの目的を確認しましょう。
目的が形骸化していたり、作業のための作業になっている場合はそのタスクは排除しましょう。

Combine:類似した作業を結合する。逆に分けることで効率化しそうな作業は分離する

複数の担当にまたがる作業の場合、それを別担当へ移管して効率化できないか検討しましょう。
逆に引き受けることで全体の効率化になる場合は引き受けましょう(Give&Takeで後々帰ってくるでしょう)

また部分的な作業でも別担当へ移管できる場合は移管しましょう。チリも積もれば山となります。

Rearrange:モノや順番を組み替える

作業順を入れ替えることで効率化できないか検討しましょう。

例えば、受け取りチェックで間違えやすい書類があれば、書類入力を電子化して入力時にチェックしたり、ルートセールスであれば訪問順を効率良く変更したり、です。

Simplify:作業を簡素化する

まず、そのタスクのマニュアルがない場合はマニュアルを作成しましょう。
マニュアルを作ることで、作業の抜け漏れを防止し、また他の人でも作業が可能になります。

その上で、RPAやExcelマクロなどで自動化できないか検討しましょう。

4.優先度設定

改善手段が決まったら、改善に必要な工数と改善後の年間作業時間を見積もります。

ここでも正確に出そうとし過ぎると返って時間を取られてしまうので、チーム内でパパッと決めれれば良いでしょう。

次は2.で設定した作業時間と3.で設定した改善工数を比較し、優先度を設定していきます。

以下は改善率と改善工数を4象限であらわしたものですが、一番改善効果の高いAから順に取り組んでいくべきです。
Bは改善工数が大きいことから、対応に割り当てることのリソースとの兼ね合いで対応是非を決定します。
Cは改善率が小さいですが、改善工数も小さいため、隙間時間を利用して対応を進めましょう。
Dは今後改善することが難しいため、廃止やアウトソーシングする方向で検討するのが良いでしょう。

5.改善施策の実行

ここまで決まったら、最後は優先順に従って改善施策を実行していくだけです。

施策中に新たさルーティンワークが追加になることがあると思いますが、作業が最大限に効率的になるようECRSの観点でチェックしてください。

まとめ

ルーティンワークは、仕事を進める上では欠かすことのできない作業です。
しかし、ルーティンワークはどれだけ頑張っても上司からの評価は上がらない傾向があるため、あなたが高い評価を得たいのであれば、徐々に脱却していく必要があります。

また、ルーティンワークに限らず、ご自分やチームの仕事全体を見て、非効率な部分を改善する取り組みは、仕事のやりがいや周囲からの評価UPにつながります。

施策を実行してすぐに効果は現れませんが、1年後には何らかの結果に現れてくるモノです。

長い目でコツコツやっていきましょう。

今回は以上です。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました