ビジネス

現実から目を逸らさない

今回は、ユーザ企業向けに提案書や報告書を作成する上で注意が必要な「現実から目を背けない」ということをご紹介していきます。

前提として、あなたは、とあるシステムベンダ企業の担当者で、ユーザ企業の管理職向けに何らかの提案書を作っている場面を想定してください。

どんな時に目を逸らしがち?

現物から目を背けてしまうケースは大きく次の2つになると思います。

深掘りすることに時間がかかりそうなとき

モノゴトを深掘りするには時間も労力もかかります。
例えばユーザへヒアリングするには、ヒアリング要旨を整理し、相手にヒアリング目的を説明して、ヒアリング日程を調整して、ヒアリングして、ヒアリング結果を整理して・・・といった具合に。

また、深掘りすることにって、想定外の都合の悪いことが出てくるかもしれないと考えると、だんだんと億劫になってしまいますよね。

このような思考に陥ると、だんだんと思考停止して、この程度で良いかな、と妥協してしまいがちです。

知った気になっているとき

これはユーザと日々対面している現場担当者にありがちかもしれません。

ユーザ担当者と懇意になり、ユーザ側の業務フローやユーザ担当者の改善要望は把握しています。
しかし、ユーザ担当者の改善要望は、必ずしもユーザ管理職の意見と一致しません。

例えば、ユーザ企業の担当者Aさんが、毎月1回ある集計作業が大変で、自動集計する機能を要望されていたとします。
しかし、ユーザ企業の管理職からすると、その集計作業は手作業でもAさんが正確に実施できていて問題ない。
それよりも担当Bさんの受付作業を改善する要望を持たれているかもしれません。

目を逸らした結果・・・

前者の深掘りを途中でやめてしまうと、資料では「見直す」「改善する」という曖昧言葉で濁すようになってしまいます。

このような場合、報告会議では総論では賛成を得ることができるかもしれませんが、具体案の議論ができないため、結論が出ないまま終わってしまいます。

詳細は前回のブログをご参照ください。


後者の知った気になるケースでは、報告の場で担当Aさんが要望されている集計機能を提案してしまいます。

そうすると、提案内容が管理者の希望に沿うものでないため、当然良い結果が得られません。

「Aさんが集計機能を要望されていたので・・」と言っても管理者からすると、ヒアリング不足の言い訳にしかなりません。

このように現実から目を背けていると、良い結果を得ることができません。

現実をちゃんと見るために

では、次にどのようにすれば現実から目を背けずに済むか考えていきます。

いくつか要点はあると思いますが、私の推奨する方法は読み手を正しく設定して、その読み手の知りたいことを正しく捉えることです。

読み手とはその報告や会議における決裁者・実力者です。

もしかするとそれはユーザ企業でなく、自社の上司も対象になるかもしれません。
その会議で発言力のある人を読み手に設定しましょう。

次にその読み手の立場や前提知識、疑問などを確認します。

わからない場合は事前に直接確認したり、周囲の人に聞いたりして確認しましょう。

「時間がないから・・・」と後回しにしても、的がずれている場合は後で手戻りが発生して、当初想定した以上に時間がかかってしまうことになりかねません。
またこれをちゃんとやることで「おっ、こいつは的を得た報告をできるやつだ」という周囲の評価も上がってくることでしょう。

まとめ

今回は、提案書や報告書を作成する際には、ちゃんと現実を見て確認しましょうと言うことを紹介しました。

さらに上位の視点で見ると、その報告や会議では何を目的としているのかを捉えることがポイントになってくると思います。

一朝一夕には身につかないと思います。
毎回意識して振り返ることで身についていくと思いますので、一緒にがんばりましょう。

今回は以上です。

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