前回のブログで、
- ビジネスライティングの目的は、読み手にこちらの意図する行動をとってもらうこと
- そのためには読み手の立場に立つことが重要
- 読み手の行動にかかるストレスを小さくすることで行動してもらいやすくする
ということを書かせていただきました。
今回は、読み手の立場に立つことが大事と言うけれど、読み手の立場に立つってどういうこと?どうすれば読み手の立場に立てるの?というところをご説明したいと思います。
立場の違い
このイメージを見てください。
開発を担当している自分と自分の上司、クライアント社の担当者とその上司に当たる決裁者がいます。
当然ながらそれぞれの役割で見ないといけない範囲が異なります。
自分 | 自分の担当業務を成功させること |
上司 | 部下の担当業務の監督も含め、部全体の運営がうまく回るようにコントロールすること |
クライアント担当 | 担当業務を問題なく運営する。開発へ業務内容を伝える |
クライアント決裁者 | 提案に対して、費用対効果や他部署も含めた会社全体へのインパクトを鑑みて、採用を判断する |
このとき、自分以外の方から「今の状況教えてください」と質問された時に、どう回答するか考えて見てください。
質問者のことを考えずに「はい、今○○機能の開発をしているのですが、画面入力チェックをうまく実装できないんです。」と答えたらどうでしょう?
確かに今の状況ではあるのですが、誰もそんなこと聞こうと思って質問していません。
上司に対してであれば、上司はマネジメントする立場なので
「今の開発進捗率は80%で、納期に影響ありません」と答えるのがマネジメントに対する答えになると思います。
クライアント担当に対してであれば、業務に質問がないか気にされているかもしれないので、
「開発は順調ですが、少し質問事項が出てきました。次回打ち合わせで確認させてください。」
クライアント決裁者であれば、もっと全体感を気にされているので、
「開発は順調です。業界でも先進性のあるシステムになるので期待してください」といった答え方が適切と思います。
このように、自分の立場で答えるのでなく、対応する相手の興味や関心ごとを想定して、その関心ごとに対する答え方をすることが読み手の立場に立つということです。
メタ思考
「メタ思考」という思考方法があります。この思考法は、
ひとつ上の視点で見ることで、普段考えない気づきを得ることができる
ということなので、今回テーマの読み手の立場に立つということと、ほぼ近い関係があります。
つまり、メタ思考を鍛えることで、読み手の立場に立った受け答えができるようになっていうことが言えると思います。
ではメタ思考はどのように鍛えていくかと「Why」で考えることをお勧めします。
人から何かを依頼されたときに、単純にその依頼に対応するのでなく、「なぜこの人はこんな依頼をするのだろう?」と考えるようにしてみてください。
例えば、上司から過去の提案資料を探してほしいと依頼された場合、単純な対応は過去資料を探すだけです。
ここで「Why」で考えると、上司が別のクライアントへの提案資料を作成しようとしているとわかります。
そうすると、過去資料を探すだけでなく、最新のA社事例をまとめた資料も添付することができたりします。
これを繰り返し実施していくことで、Whyの精度が上がったり、より高い視点で物事を見ることができるようになり、本質的な対応ができるようになってきます。
これは、今回テーマにしている「ビジネスライティング」に限らず、仕事全般でワンランク上の働き方に繋がるので、より良い成果を上げたり、また周りからの評判・評価も上がっていくと思います。
なので、ビジネスパーソンなら是非取り組んでいただきたいです。
まとめ
今回は読み手の立場に立つってどういうこと?読み手の立場に立つにはどうすれば良いの?ということについて説明しました。
- 読み手の立場に立つとは、自分の立場で答えるのでなく、対応する相手の興味や関心ごとを想定して、その関心ごとに対する答え方をすること
- どうすれば読み手の立場に立てるかというと、メタ思考を鍛えること
- それには「Why」で考えることが有効である
一朝一夕にうまくいかないと思いますし、私も十分にマスターしているとは言えません。
しかし、継続することで徐々に身についていくことと思いますので、一緒にコツコツと取り組んでいきましょう。
今回は以上です。
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