ビジネス

お客様のリクエスト ≠ 本当の目的

今回はお客様のリクエストは本当の目的ではないということを書いていきたいと思います。

ここを理解しておくと、お客様の期待値を超える提案をしやすくなりますので、是非お読みください。

八百屋さんのケース

まず、あなたは八百屋さんの店員で、お客様がリンゴを買いに来たケースを想像してください。

NG例

あなた

へい、いらっしゃい!

お客さん

りんごが欲しいんだけど。。。

あなた

申し訳ありません、ただいま品切れしております

お客さん

分かったわ。また来ます。

これでお客様とのやりとりは終わってしまい、結局何も売ることができませんでした。

OK例

あなた

へい、いらっしゃい!

お客さん

りんごが欲しいんだけど。。。

あなた

申し訳ありません、ただいま品切れしております
ちなみにりんごをお求めの理由をお聞かせいただけますか?

お客さん

りんごに含まれている食物繊維が生活習慣病の予防になるって聞いたので

あなた

でしたら、パイナップルなんかいかがですか?
パイナップルも食物繊維が多く含まれていますよ

あなた

あと生活習慣病の予防ということでしたら、みかんがおすすめですよ!
食物繊維以外にもビタミン類やカリウムも多く含まれています

うちのお客さまで毎日みかんを食べているおばあちゃんがいますが、いつも元気そうでお肌もツルツルですよ

お客さん

そうね。じゃぁみかんを貰おうかしら

お客様がリクエストされたりんごはありませんでしたが、お客様の目的は果たすことができました。

解説

ポイントは、お客様がりんごをリクエストした理由=目的をお聞きしたことです。
目的を聞くことで”食物繊維”と”生活習慣病”という二つのキーワードを得ることができました。

このキーワードがあったからこそ、野菜の専門家として、食物繊維を多く含むフルーツや生活習慣病の予防になるフルーツを提案できたのです。

また、このお客様にとって、生活習慣病を予防することが目的であり、食物繊維はその手段ですが、食物繊維はお客様がせっかく知り得た価値ある情報のため無下にしてはいけません。

お客様のリクエストに近い関係にあるパイナップルと、目的達成のためにより効果的と思われるみかんの二つの選択肢を提案することで、お客様は自分で選択したという満足感も得られると思います。

システム開発のケース

つぎに、あなたは通販システムの開発担当で、クライアントから機能追加の要望が上がったケースを想像してください。

NG例

クライアント

今のシステムだとクレジットカード決済しかできないけど、コンビニ決済を追加できない?

あなた

できると思いますが、コンビニの決済代行会社と連携する仕組みが必要になるので、開発費用も工数も結構かかると思いますよ

クライアント

そうか〜、まだエンドユーザからの要望も少ないし、今回は見合わせようかなぁ

話が終わってしまい、コンビニ決済の要望もうやむやになってしまいました。

OK例

クライアント

今のシステムだとクレジットカード決済しかできないけど、コンビニ決済を追加できない?

あなた

できると思いますが、本格的にやろうとすると、コンビニの決済代行会社と連携する仕組みが必要になるので、開発費用も工数も結構かかると思いますよ

あなた

手作業は多くなると思いますが、まずは簡易的な仕組みで導入して、エンドユーザの反響を確認後にシステム間連携する仕組みを検討してはいかがでしょうか?

クライアント

そうだね!

じゃぁ、その簡易的な仕組みの導入プランを整理してくれる?
私はコンビニ決済の費用対効果をまとめておくよ。

あなた

了解しました。
システム間連携時の費用見積もりも実施しておきますね。

別提案をすることで、コンビニ決済をやるべきかどうかを検証するフェーズにつながりました。

解説

ポイントは、本格案と簡易案の両方を提示したことです。

このケースだと、まだ構想段階であることがわかるため、コンビニ決済を追加してもエンドユーザに受けるかどうかわからないことが想像できます。

クライアントの立場で考えると、この時点では「コンビニ決済導入の可能性を確認したい」という目的があるため、簡易案で様子見しましょうという提案ができました。

まとめ

八百屋さんのケースでは、お客さんの目的を直接聞き出すことで、お客さんの目的を達成するための提案をできました。

システム開発のケースでは、クライアントの暗に潜んだ目的を察することで、クライアントの目的を達成するための提案をできました。

どちらも、お客様からの直接のリクエストの背景にある目的をちゃんと認識することで、専門家として、より良い提案をすることができました。

お客様はお客様の業務について詳しいですが、あなたの専門分野においては、あなたはお客様よりも知識やノウハウが多いはずです。
この専門知識をお客様の課題解決にうまく活かすことが、あなたのビジネスをうまく回すコツだと思います。

お客様の要望を聞く場面では、その裏にある目的も確認するように心がけましょう。

本日は以上です。

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